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基板の組み立て

基板の切り離しから始めて、はんだ付けと動作確認を行います。

  • XIAO と電池端子の取り付け:難易度が高い作業なので、慎重に進めてください
  • 片側ずつの組み立てる:失敗時のダメージを減らすため、片側を完成させてから次に進むことをお勧めします

最初の状態(裏面)

1.1 左右・トラックボール基板の分離

Section titled “1.1 左右・トラックボール基板の分離”

接続されている基板をニッパーで切り離します。

  1. 下の矢印で示している、小さなドリル穴で接続されている部分(14 箇所)を切断します
    • 手で簡単に折れると思います。必要に応じてニッパーを使ってください。
    • 注意:トラックボール基板は切断箇所ギリギリまで配線が通っているため、配線を傷つけないよう慎重に作業してください
  2. バリが出た場合は、切断面をニッパーややすりで整えます
    • きれいに整えようとしすぎると基板の配線を破壊してしまう危険があるので、後でケースと干渉した場合に整える程度で大丈夫です。

切断箇所

切断後

1.2 トラックボールをつける部分の分離

Section titled “1.2 トラックボールをつける部分の分離”

トラックボールを取り付ける側の基板のみ、下中央部分を切り離します。

  1. 右トラックボールの場合)下の図で四角く囲った部分をカッターで深く傷を付けます
    • V2 基板には切る部分に白線と説明が書かれています。
  2. 意を決して折ります。切り取った基板は不要なので廃棄してください
  3. バリが出た場合はニッパーで整えます

以下は右手にトラックボールを付ける場合の例です。

左手トラックボールの場合は左手基板側を、両手トラックボールの場合は両方を切断してください。

右手基板の切断箇所

切断後の右手基板(表面)

以下の例では、右トラックボールの場合の左手基板を解説します。

右手は次の章で差分のみ説明します。失敗リスクを下げるため、片側を完成させてから次に進むことをお勧めします。

左手トラックボール、両手トラックボールもスイッチソケットの半田付け箇所が増減する以外手順は同じです。

ステップ 1:スイッチソケットの取り付け

Section titled “ステップ 1:スイッチソケットの取り付け”

付属の Kailh Choc v2 ソケットを基板にはんだ付けします。

まずいくつかのソケットを基板に並べてまとめてはんだ付けしていくと効率よく付けられます。

注意点:

  • Kailh Choc v2 ソケットには方向があります。 黒い樹脂部の爪のような出っ張りが中心の穴側に来るようにしてください。
    • もし間違っても大きな問題はないとは思います。キースイッチがつけ外ししづらくなるかも?しれないです。
    • もし初めてで心配な場合は、まず1つ半田付けしてみて、表側からキースイッチを取り付けられるか確認してから全て取り付けると良いです。
  • 実装済み部品との距離が近い箇所があります
    • 実装済み部品に触れたり熱を加えすぎると、部品が外れる可能性があります
    • 周りに部品が少ない箇所から始めることをお勧めします
スイッチソケット取り付け途中半田付け完了後
スイッチソケット取り付け中スイッチソケット取り付け完了

XIAO には左右の穴が空いたパッドと、裏側に表面実装パッドがあります。 まずは位置合わせをして左右のパッドをはんだ付けします。

  1. 基板側のバリ取り

    • XIAO 取り付け端子部分のバリをニッパーで切って整えます
    • 注意:バリは引っ張らないでください。基板の面と裏を繋ぐ部分が剥がれると回路が動作しません
  2. 位置合わせ

    • XIAO を基板の裏側(部品が付いた側)に置きます
    • 基板外側のピンに XIAO 付属のピンヘッダを差して XIAO の位置を調整します(ピンヘッダは半田付けしません。位置調整の治具として使います。)
  3. 内側パッドのはんだ付け

    • XIAO がずれないよう注意しながら、基板内側(ピンヘッダをつけていない側)のパッドをはんだ付けします
    • 基板側パッドが見えない 2 箇所ははんだ付け不要です(次のステップで裏から付けます)
  4. 外側パッドのはんだ付け

    • ピンヘッダを取り外して、裏から基板外側のパッドをはんだ付けします。
    • XIAO と基板がしっかり接続されていることを横から確認してください
バリ取り前バリ取り後
バリ取り前バリ取り後
XIAO の位置合わせ内側のパッドを半田付け
XIAO設置はんだ付け
裏返して外側のパッドを半田付け外側のパッドをはんだ付け後に横から見た図
表面はんだ付け はんだ付け詳細完了状態

XIAO の表面実装パッドのはんだ付け

Section titled “XIAO の表面実装パッドのはんだ付け”

基板表面から見て、以下の写真で矢印が示す 5 箇所をはんだ付けします。

注意点:

  • 基板側にパッドがない右上の XIAO パッド(矢印なし)と上 4 つの穴ははんだ付け不要
  • ある程度しっかりと熱を加えないと XIAO のパッドにはんだが付きません。熱を加えすぎると XIAO の表側の部品が外れたりするので加えすぎてもだめです。
  • 隣り合うパッドをショートさせないよう注意してください
  • ショートした状態で電源を入れてはいけません(電源のプラス・マイナスがショートして回路破損や電池発熱の原因)

ショートした場合ははんだ吸い取り線が必要です。どうしてもうまくいかない場合は、こちらの方法も参考になります。

表面実装パッド

基板が正常に動くか簡易チェックします。最初のステップで XIAO にファームウェアを書き込み済みである必要があります。 もしまだファームウェアを書き込んでいない場合は今書き込んでください。基板にはんだ付けしたまま書き込んで大丈夫です。

  • XIAO の USB 端子を PC と接続します (基板に別の USB 端子がありますがこれは左右給電/通信用です)
  • 正常に動作していれば自動的に基板の LED がアニメーション付きで光ります(XIAO の LED は光りません)
  • LED が光らない場合は、はんだ付けまたはファームウェア書き込みに問題があります
  • 確認後、USB ケーブルを外します

ステップ 3:電池端子の取り付け

Section titled “ステップ 3:電池端子の取り付け”
  1. 治具の準備

    1. 付属のブロック治具 3 つを用意します
    2. 基板を裏側を上にしてブロックの上に置きます。
    3. 基板の穴にブロックの突起がはまるようにします
      • 下の写真を参考にして、ブロックは電池端子から遠く、基板がガタガタせずに安定する場所に配置してください
      • 注意: ブロックにはんだ付けの熱が伝わってしまうとブロックが溶けます
  2. 電池端子をはめる

    • 基板の電源スイッチ側(外側)にマイナス端子(バネ付き)を上(基板の裏側)から設置します。
      • 端子の細い部分を基板の穴にはめるように設置します。
    • もう一方の側(基板の内側)にプラス端子を設置します。
    • 基板に+-表記があるので参考にしてください。
  3. 電池端子をはんだ付けする

    • 端子が基板に垂直な状態を保ちながら、端子の細い部分(基板の穴に通した部分)をはんだ付けします
    • 注意: はんだ付け直後の電池端子は非常に熱いので素手で触らないでください
    • 微調整する場合は、はんだを溶かしながらピンセットやペンチを使用してください

治具 基板設置 基板設置2

端子設置 はんだ付け完了 裏面確認

電池端子がケースと干渉しないかを確かめます。干渉する場合はハンダづけを少しやり直して調整します。

  1. トップケースとバッテリートップカバーを用意します
    • 左(トラックボールなし)用はカバーに凹みがない方です
  2. バッテリートップカバーをトップケースにはめます
  3. トップケースに基板をまっすぐはめ込みます
    • トップケースと基板がピッタリくっつくか確認します

干渉チェック1 干渉チェック2 干渉チェック3

電池で動作するかを確認します。

  1. 単 4 電池を取り付けます
  2. 電池のマイナス端子付近の電源スイッチをオンにします
    • 下側にスライドするとオンになります

正常に動作していれば、先ほど PC と接続したときのように LED が光ります。(バッテリーモードでは消費電力削減のためにすぐに LED が消えると思います)

LED が光らない場合は、XIAO の電池関連端子のはんだ付けに問題があるので XIAO の取り付けに戻ってはんだ付けを再確認してください。

ステップ 4:設定ボタンの取り付け

Section titled “ステップ 4:設定ボタンの取り付け”

左右両方に2個ずつついている設定ボタンを取り付けます。

  1. 基板の表面を上にします
  2. LED の真下のパッドの片側(図では下側)にはんだを軽く盛ります
  3. ボタンの片側端子の半田付け
    • ピンセットやペンチで設定ボタンを保持しながら、2 で盛ったはんだを溶かしてボタンの片側端子をはんだ付けします
  4. もう一つのボタンも同様に取り付けます
  5. 残り端子のはんだ付け
    • 2 つのボタンの反対側端子をはんだ付けします
    • 注意:近くの LED IC は熱に弱いため、長時間熱を加えすぎないでください
設定ボタンをつける箇所下側のパッド2つに予備ハンダ
予備ハンダに設定ボタンの片側をつける完成図
片側はんだ付け完了

お疲れ様でした。

基本的に左手と同様の手順ですが、以下の2点が異なります。

電源端子

  • 左右で鏡写しにしたような向きになります。
  • 左右どちらも電源スイッチに近い側がマイナスです
  • 基板に+-表記があるので確認しながら作業してください。

十字キーの取り付け

右手には十字キーが付きます。以下の手順ではんだ付けしてください。

  1. スイッチ4つを表側から基板にはめ込みます。
  2. 基板の裏側でスイッチの足を曲げて、スイッチを基板に水平に密着させます。
  3. スイッチが基板にしっかりと密着していることを確かめながら、基板の裏から足をはんだ付けします。
    • 注意: スイッチが傾いたり浮きすぎるとトッププレートに干渉します
    • ケースに遊びがほとんどないため、ケース組み立て時に再度調整が必要になるかもしれません。
表から見た図裏のはんだ付けする部分
十字キー取り付け裏面はんだ付け

トラックボール基板の半田付け

Section titled “トラックボール基板の半田付け”

左右で同じ基板を使うので手順は左右共通です。 両側トラックボールの場合は以下のものを2個作ってください。

準備するもの:

  • トラックボール基板(2 枚付属のうち 1 枚を使用、もう 1 枚は両側トラックボールの場合のみ使います)
  • PMW3610 トラックボールセンサー IC
  • トラックボールセンサー用レンズ

手順:

  1. IC を基板にはめる

    • IC に一度レンズを取り付けます。
    • 写真を参考に、IC の足を基板にはめ込みます。
    • IC からレンズを外します。
      • 注意: レンズは熱で溶けるので、レンズをつけたままはんだ付けしないでください。
  2. IC の半田付け

    • IC が基板に対して平行になるように注意してください
    • 端のピンを最初にはんだ付けすると IC が固定されて作業しやすくなります
    • 注意:
      • レンズは熱で溶けるので、レンズをつけたままはんだ付けしないでください。
      • 長時間はんだごてを当てると IC 破損の可能性があるので注意してください
  3. レンズの取り付け

    • IC に付いていた茶透明な保護フィルム2つを剥がします
    • レンズをセットします
  4. レンズ足の処理

    • IC の表側に出っ張っているレンズの足を処理します
    • このままではケースと干渉するため、以下のいずれかの方法で処理してください
      • はんだごてで熱を加えて潰すように溶かす(レンズが外れにくくなる)
      • ニッパーで切断(ケース干渉を確実に防げる。作者はこの方法でやっています)
    • 一番最後の写真を参考にしてください。

使用パーツ 向き確認1 向き確認2

レンズを外してはんだ付け 保護シール剥がし レンズ取り付け レンズ足処理

左右両方の電源を入れて PC とペアリングし、キーボードとして動作するか確認します。

  1. 左右の基板に電池をつけます。電池がない場合は USB で接続しても良いです。
  2. (電池をつけた場合は)左右の電源スイッチを ON にします
  3. LED 表示されることを確認
    • 電源を入れると LED が光り、バッテリー残量を表示後、BLE 接続状態を表示します
    • 解説 YouTube 動画も参考にしてください
  4. PC とペアリング
    • 電源を入れると右手基板が自動的にペアリングモードに入ります。Bluetooth 機器で新しいデバイスを探すと、DYA Dash というデバイスが見つかるのでペアリングしてください。
    • なお、左右の基板は電源を入れた際に自動的にペアリングされます。
  5. キー入力を確認
    • 基板のスイッチソケットにいくつかスイッチをつけて押してみます
    • 対応する文字が入力されるはずです

次に、トラックボール基板を接続してトラックボールモジュールが動作するか確認します。

  1. 電池や USB 接続を外して電源を切ります。
  2. 下の図を参考に FFC ケーブルでトラックボールをつける側の基板とトラックボール基板を FFC ケーブルで接続します。
    • FFC ケーブルは繊細なので扱いに注意してください。
    • ケースの組み立て説明にもいくつか写真があるので、わからない場合はケースの組み立ての章も読んでみてください。
  3. 電池や USB 接続で電源を入れます
  4. PC とペアリング or USB モードで接続している状態でトラックボールモジュールのレンズの 1~2mm 上で指を水平に動かしてみます
  5. マウスが動いたら動作確認成功です。
  6. 電源を切った後、FFC ケーブルを外してください
FFC 端子の黒い部分が縦の状態で FFC ケーブルを奥まで差し込む黒い部分を倒してロックする
センサーとケーブル1センサーとケーブル2

LED が光らず、ペアリングもできない場合:

  • XIAO と基板のはんだ付けまたはファームウェア書き込みに問題があります
  • 電源をオフにして XIAO を PC と接続してください(PC 電源で動作確認)
  • PC から電源供給でペアリングできる場合は、はんだ付けの問題です

ペアリングできるが LED が光らない場合:

  • XIAO と LED の間のはんだ付けに問題があります
  • XIAO の裏面パッドのはんだ付けを見直してください

LED が光るがペアリングできない場合:

  • 左右に書き込むファームウェアを逆にしている可能性があります
  • 両方に左側用ファームウェアを書き込んでいる可能性があります
  • XIAO を PC に接続し、リセットボタンをダブルクリックしてファームウェアを書き込み直してください